きものくらちの小牧店ブログ
小満・蚕起食桑
昨日から二十四節気では小満(しょうまん)。あらゆる生命が満ち満ちていくとき。太陽の光が差し、すくすくと万物が成長していきます。
七十二侯では蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)。蚕が、桑の葉をたくさん食べて成長する頃。人々の暮らしを支えていたため、「おかいこさま」と敬称をつけて呼ぶ地方もありました。
先日も、皇后雅子さまが紅葉山御養蚕所で「御養蚕始(はじめ)の儀」を初めて行ったとニュースになりましたね。
明治皇后さまが養蚕業推奨の為に始められ、日本文化の継承の意味もあり、代々皇后さま方に引き継がれています。御養蚕始の儀は、豊作を祈る神事の後、孵化(ふか)したばかりの蚕に初めて桑を与える「掃(はき)立(た)て」の作業をして、養蚕作業は今後約2カ月間に及ぶということです。
上皇后美智子さまが皇后時代に育てた日本在来種の「小石丸」の繭で作られた糸は、奈良の正倉院の宝物模造品に使われました。
明治時代までは日本において主流であった小石丸ですが、現在では、飼育・生産効率が良い交雑種のカイコに切り替わり、民間での飼育数は極めて少なく、宮崎県綾町など数カ所に留まっているそうです。このため、普通のカイコの繭よりも高値で取引されています。
小石丸の特徴は
- 糸が極細かつ太さが不均一だが、強さがあり引っ張っても切れにくい。けば立ちが少なく藍染などが艶やかに映え、とても良質(カイコとはほぼ逆)。
- 1つの繭から取れる糸は普通のカイコの繭の半分以下、多くて400~500m前後。
- 産卵数が少ない、病気に弱いなど、繭をつくる時期が個体により異なるなどの理由で飼育が難しい。
昨年11月に展示会を行った『誉田屋源兵衛』にて、小石丸を使用した着物や帯が展示され、とても美しく、美術館にいるかのようでした。
また、今年も誉田屋源兵衛展が楽しみです!
今は誉田屋源兵衛さんの浴衣を販売中!
何年か連続で販売している定番物や、ニューカラー、新作なども取り揃えていますので是非ご来店くださいね。着物は出かけて頂くのもいいですが、お家で着物生活もいいものですよ。夏祭りは少ないですが、お家で浴衣でまったり過ごすのもいいと思います。
浴衣 誉田屋源兵衛 浅緑 更紗唐草
名古屋帯 誉田屋源兵衛 生成り 箔重ね
帯締め 翠嵐工房 浅緑 / 錆納戸
帯揚げ 白 / 若竹色 変形市松