きものくらちの小牧店ブログ
絞りの振袖
2021.02.13
「絞り」の歴史は古く紀元前にまで遡り、インドやアフリカなど世界各地で自然発生的に始まったと言われ、日本には、奈良・飛鳥時代に中国から伝来し、室町時代に持て囃された「辻が花」の着物、慶長・元禄時代に洗練された「小袖」の着物など、日本女性のファッションの歴史と共に成長・発展を遂げてきました。
特に江戸時代には、絞りの着物が上層階級の間で大流行し、「総絞り」は町人女性の憧れの存在でもありました。
当時の伝統技術は今もなお継承され、現在では日本を代表する独特の染色工芸品として世界に誇れる技術です。
今回はこのお振袖を作るのに、21万個ものちいさな絞りを繰り返し、染色したものを現代風にコーディネイトしてみました。
重ね襟にはレース、帯締めもとても可愛いお花の細工です。
ただ、布を縫えば着物になるのにも関わらず、とてつもない時間をかけた手作業で、美しい着物に生まれ変わり、着る人の気持ちまで変えてくれる着物は本当に素晴らしい日本文化だと思います。
是非、着物を見るときには、じっくり見てみるのも、奥深く面白いですよ。