きものくらちの小牧店ブログ
王道・古典柄の振袖
王道の古典柄のお振袖と言えば・・・こんな振袖では無いでしょうか。
松竹梅、季節の花々、貝桶、几帳の柄が描かれています。
貝桶は、平安時代から伝わる貴族の遊びの1つで、「貝合わせ」の道具を収めておく入れ物のことです。「貝合わせ」は、その名の通り、内側に蒔絵や金箔で装飾されたハマグリの貝殻を用いて、対になる貝を見つけるという遊びです。トランプの神経衰弱に似ていますね。
この遊びは、ハマグリなどの二枚貝の「同じ貝殻としか組み合わせることが出来ない」という習性を利用しており、この習性から、貝合わせ=「夫婦円満の象徴」とされるようになりました。そして、公家や大名家の嫁入り道具として作られたり、婚礼の道具としても重要な意味を持っていたので、婚礼行列の先頭で運ばれていたりしていました。
几帳とは、簡単にいうと室内を仕切りるカーテンのことです。
平安時代に貴族の住まう寝殿造りの室内の間仕切りにしたり、女性の傍らに置いて目隠しや風よけとしても用いられました。源氏物語絵巻に出てくる雅な柄です。
帯には宝尽くしの柄。①危険から身を守る、隠れ蓑、隠れ笠。②南蛮渡来の果物、薬用でも使用、丁子。③密教の法具、願いを意のままにする、宝珠。④願いをかなえる、敵を倒す、打ち出の小づち。⑤金銭を入れる袋、財布、金嚢。⑥金庫の鍵、宝鍵。⑦知識の拠り所、宝巻。⑧采配の決定、軍配。⑨秤で金の重さを量る、分銅。⑩法華経の教えによる七つの宝、七宝。このような意味を持った絵柄が描かれた帯は無敵状態ではないでしょうか。
こういった古典柄のお着物がいつも変わらず受け継がれているのは、お嬢さまの身を守るため、幸せを願い、身に着けてもらいたいと願う、昔からの両親の思いからくるものではないでしょうか。